新造船部門
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一般商船
当社の新造船建造事業は、岡山県の水島製造所で行われており、バルカーおよびタンカーを中心に建造しています。特にパナマ運河を航行できる最大船型であるパナマックスバルカーシリーズは100隻を超える竣工実績があり、品質の高さには定評があります。今後も品質の高い船造りを追求していきます。
スプラマックスバルカー
中型貨物船で港湾設備の伴わない港で使用できる様にクレーンを装備
スプラマックスバルカー
ハンディマックスバルカーシリーズ
長さ(全長) | 199.9m |
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幅 | 32.2m |
深さ | 18.3m |
総トン数 | 34,164 |
載貨重量 | 60,472トン |
当社が新たに開発したスプラマックス 60,000トン型のばら積み運搬船です。
全長200m未満、最大喫水13m未満に抑えたコンパクトな船型ですが、載貨重量を大型化、さらに低燃費を追求した最新鋭・高性能の省エネ船型です。
5つの貨物艙(ホールド)を持ち、設備のない港湾でも荷役ができるように、4基のクレーンを装備していることが特徴です。
各ホールドのハッチ長さは、長尺物の鋼管等を効率良く積載できるよう配慮した長さとしています。
本船には、実海域性能に配慮した船首形状を採用し、実運航時の燃費向上を図っています。
CO2排出量を表すエネルギー効率設計指標(EEDI)は、基準値に対して20%以上の削減(2020年以降建造契約船に要求される性能)を達成しており、トップクラスの省エネ性能を実現しています。
着実に竣工実績を積み上げており、当社の新たな主力商品となっています。
パナマックスバルカー82000トン型
パナマックスバルカー船型としては世界最大級
パナマックスバルカーシリーズ
長さ(全長) | 229.0m |
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幅 | 32.24m |
深さ | 20.2m |
総トン数 | 43,432 |
載貨重量 | 82,174トン |
本船は当社の主力船型として、100隻を超える建造実績のあるパナマックスシリーズの新バージョン、82,000トン型となります。
従来設計から燃費性能を10%向上させた83,000トン型を受け継ぎ、船型改良を加えて燃費性能をさらに10%改善(当社比)、貨物艙容積をひとまわり大きくした最新鋭・高性能の省エネ船型です。
当社が独自に開発したSTFと舵の省エネ装置を組み合わせて装備するなど、省エネルギーに配慮した仕様を多く盛り込んだ、環境にやさしい船となっています。
CO2排出量を表すエネルギー効率設計指標(EEDI)は、基準値に対して20%以上の削減(2020年以降建造契約船に要求される性能)を達成しており、トップクラスの省エネ性能を実現しています。
環境に優しい高効率、省エネルギー船として、お客様より高い評価を頂いています。
石炭専用船
専ら電力用海外炭を輸送する専用船
石炭専用船
長さ(全長) | 235.0m |
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幅 | 43.0m |
深さ | 20.0m |
総トン数 | 57,036 |
載貨重量 | 104,939トン |
本船は、㈱商船三井様と共同開発した幅広浅喫水の10万4000トン型石炭専用船です。
国内の主要な電力港湾や石炭貯蔵施設に入港可能な最大船型で、載貨重量及び貨物船艙容積を従来から飛躍的に増大させ積載量の最大化を図った輸送効率の高い最新鋭船です。
また、係船力を強化した係船装置や、当社が独自に開発したSTFの装備など、安全・省エネに配慮した仕様を採用しています。
その汎用性並びに環境性能が評価され、本船は2014年にオランダ・ロッテルダムで開催された海事メディア・IBJ社の「IBJアワード2014」でバルクシップ・オブ・ザ・イヤーを受賞し、高い評価を頂いています。
ハンディーケープ
パナマ運河拡張も視野に入れた、汎用性の高い新開発のケープサイズバルカー。
ハンディーケープ
長さ(全長) | 245.0m |
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幅 | 43.00m |
深さ | 21.65m |
総トン数 | 64,618 |
載貨重量 | 119,597トン |
本船は当社が㈱商船三井殿と共同開発した120,000載貨重量トン型“ハンディーケープ”です。
近年の石炭・鉄鉱石の輸送量拡大、新パナマ運河開設を見据え、長年にわたる撒積船建造の技術と㈱商船三井殿の配船・運航ノウハウにより開発されました。
本船はこれまでの当社建造船同様「ECO-SHIP」を基本コンセプトとして、当社特許製品であるSTF(タンデムフィン)採用による燃料消費量の低減、油濁事故対策として2010年8月以降竣工船に適用される燃料タンクの二重保護構造先取り採用など、環境に優しい高効率、省エネルギー船として設計されています。
既に数多くの発注を頂いており、世界的に高い評価を受けている当社パナマックスシリーズと並ぶ主力商品となることが期待されます。
木材チップ運搬船
製紙原料となる木材チップを輸送する専用船。当社は日本における建造量でNo.1
木材チップ運搬船
長さ(全長) | 209.99m |
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幅 | 37.0m |
深さ | 22.85m |
総トン数 | 49,720 |
載貨重量 | 64,538トン |
製紙原料となる木材チップを輸送するために造られた専用船。
ばら積み貨物(石炭、鉄鉱石、穀物)等に比べ比重が軽いチップを運ぶ船は、載貨重量ではなく貨物容積で船の大きさを表します。
チップキャリアは船上に貨物を荷降ろしするためのクレーン、ホッパーおよびベルトコンベアーがあり、効率よく木材チップの荷降ろしをすることができます。
当社はすでに約50隻のチップ船を建造しており、日本におけるチップ船建造のトップヤードです。
UFOキャチャーに似た巨大なグラブバケットとベルトコンベアーで効率よくばら積のチップを荷役します
アフラマックスタンカー
主に原油を輸送する原油タンカー。日本で最初の44m幅アフラマックスタンカーを建造
アフラマックスタンカーシリーズ
長さ(全長) | 249.0m |
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幅 | 44.0m |
深さ | 21.2m |
総トン数 | 61,991 |
載貨重量 | 115,482トン |
中型原油輸送タンカーである、アフラマックス型タンカー。
従来は42mであった船幅を44mまで広げ、このクラスとしては最大級の載貨重量を持つ船型です。
44m幅のアフラマックスタンカーは当社が日本においては初めて開発、建造を実現しました。
従来のアフラマックスより幅を広げたことで、このクラスでは入港出来なかった喫水の浅い港にも入港可能となります。
特殊船(フェリー/作業船)
当社は各種作業船、カーフェリー等の特殊船建造も水島製造所で行っています。この分野でも当社技術は評価をいただいており、2016年に建造した作業船 AUGUST EXPLORERが、シップ・オブ・ザ・イヤー2016の特殊船部門賞を受賞しました。
自航式多目的船
最新鋭の定点保持機能を搭載し3カ月程度の無寄港作業が可能
自航式多目的船
起重機船
長さ(全長) | 89.9m |
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幅 | 27.0m |
深さ | 5.0m |
総トン数 | 4,831 |
本船は、東洋建設株式会社様のご要望に沿って計画・建造した、500t吊の大型クレーンと最新鋭の定点保持機能 (DPS) を搭載した自航式多目的船です。
3ヶ月程度無寄港で近海区域(非国際)での作業に対応可能な航海能力を持ち、広いデッキスペースや定員52名の居住区、海水淡水化装置等により、建設作業のみならず調査業務等、洋上での様々な作業に従事することが可能です。
最新鋭の全旋回スラスター4基、補助スラスター1基を装備しており、強風時や潮流域で定点保持が可能です。
また、船首側全旋回スラスターは昇降式であり、喫水も約2.7mまで調整できることから、海洋域だけでなく比較的浅い沿海/平水域での作業も可能です。
約1,000kリットルの燃料タンクを装備し、1日あたり2000人分の処理が可能な海水淡水化装置や電力の供給機能も有しているため、災害時には支援母船として活用することもできます。
洋上での構造物設置・浚渫作業及び調査・探査業務等、多目的船として我が国のEEZを始め日本近海での活躍が期待されます。
フェリー
船尾双胴船型の採用により省エネ化を実現
フェリー
長さ(全長) | 108.00m |
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幅 | 17.50m |
深さ | 6.10m |
吃水(満載) | 4.40m |
総トン数 | 2,820t |
速力(主機関75%出力) | 18.4ノット |
旅客定員 | 546名 |
車両甲板の高さ | 5.05m |
最大搭載車両台数 | 8tトラック換算37台 |
2,800総トン型旅客船兼自動車航送船「フェリーあい」竣工
当社で建造の2,800総トン型旅客船兼自動車航送船「フェリーあい」の竣工・引渡式が2019年12月3日(火)に当社水島製造所にて挙行されました。
本船は、和歌山港~徳島港間を往復するフェリー“つるぎ”の代替船として建造された、427人の旅客定員(臨時定員としては546人)とトラック37台を積載可能な2,800総トン型旅客船兼自動車航送船です。徳島県の名産である「藍染め」の藍色をコンセプトカラーとするとともに、「I:私」、「愛」、「藍」の3つのキーワードをもとに「フェリーあい」と命名されました。
性能面では2機2軸推進方式、船尾双胴船型の採用により省エネ化を実現し、可変ピッチプロペラやフラップラダー、バウスラスターのコンビネーション制御により安全な航海や出入港時の離着桟が可能となっています。
船体は4層構造で上層から航海船橋甲板、A甲板、客室(B甲板)、車両甲板となっています。本船右舷側に装備したエレベータにより、車両甲板から上層へ移動できる等、バリアフリー規則に対応しています。客室、船員室、車両甲板、機関室等、船内の多くの場所でLED照明を採用し、省エネに寄与しています。
客室は、眺めの良いグリーン室、ジュータン席の他、シャワー室付きのドライバー室、各席に照明とコンセントを備えたビジネススペース、赤ちゃんるーむ(授乳室)、また航海船橋甲板には本船が航行する紀伊水道を一望できる展望デッキといった、多彩な施設を備えており、乗客が快適な船旅を楽しんで頂けるよう配慮されています。車両甲板は背高コンテナ用トレーラーが積載可能なように4.3mのクリアハイトを確保し、船首尾に設けられたショアーランプによりロールオン・ロールオフの荷役が可能となっています。
航行の安全面においては、フェリー”つるぎ”建造後、安全性に対する規則が強化されており、規則を満足すべく区画配置に工夫がこらされています。また、航海船橋甲板上煙突内に装備された減揺装置(タンク内の流体の移動により船の横揺れを軽減)によって、より安全で快適な乗り心地を実現しています。
コンクリートミキサー船
1時間にミキサー車50台分のコンクリートを製造
コンクリートミキサー船
長さ(全長) | 66.00m |
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幅 | 24.0m |
深さ | 6.0m |
本船は、関門港湾建設株式会社様のご要望に沿って当社が計画・建造した、コンクリートミキサー船です。コンクリート製造設備を台船上に搭載したもので、1時間にミキサー車50台分のコンクリートを製造する能力を有しています。
コンクリートの製造には、材料である水・セメント・砂利を一定の割合で混合する必要があります。本船は船体各所の貯蔵槽から配管やコンベアを通じてプラント設備に材料を送り込み、計量したうえでミキサーにより混ぜ合わせて生コンクリートを製造します。出来上がったコンクリートはポンプによって送り出され、船首部のアームから施工箇所に投入されます。アームは水中での作業にも対応しており、岸壁や橋の基礎工事での使用が想定されています。また、ポンプを使用せずに船首部のランプから乗り入れたミキサー車に生コンクリートを積載して船外に搬出することも可能です。これらの設備を安定して稼働させるために、自動的に船体の姿勢を水平に保つ制御システムも有しています。
プラント設備の周囲には居住区が設けられており、個室や大浴場・食堂など長期の作業中でも乗組員が快適に過ごすことができる設備が整っています。5階には船橋とプラント制御室が設けられており、本船のほとんどの設備を遠隔操作できるようになっています。
関栄は国内で数十年ぶりに建造されたコンクリートミキサー船で、国内最大級の材料貯蔵能力を持つほか、海水淡水化装置を装備しており、海水からコンクリートの練り水や生活用水となる真水を造水することが可能です。このため、離島における岸壁工事にも単独での対応が可能となっています。海洋を汚染することのないよう、コンクリートの製造や機材洗浄の過程で発生する排水は、船内で処理して水を再利用する機能も有しています。
今後、本船は西日本を中心に国内各地の岸壁で工事に従事することが見込まれています。国内の同種船は30年以上のベテラン船が大多数という状況です。本船が世代交代の嚆矢となることを期待します。
バージアンローダ船
各種自動化と環境性能を有した最新鋭の作業船
バージアンローダ船
バージアンローダ船
長さ(全長) | 54.0m |
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幅 | 16.0m |
深さ | 3.8m |
本船は、りんかい日産建設株式会社様並びに栄臨建設株式会社様のご要望に沿って当社が計画・建造した、
揚土能力:750m3/h、最大排送距離:2,000mのバージアンローダ船です。
本船は、港湾、都市河川浚渫土砂を積載した土運船の船艙にジェット水を噴射し土砂を攪拌混合、
これを揚土ポンプで吸い上げて埋立地(または処分地)まで排送し、揚土工事を行う非自航の作業船です。
各ポンプ、揚土管・注水管装置、ウインチ等の操作は、B甲板上船体右舷中央部に設けられた操作室より遠隔で行えるほか、
操作室には監視カメラのモニター、風向風速計、船内指令も装備されており、操作性・安全性に配慮した仕様になっています。
本船A甲板前方には、船員の個室の居住スペースがあり、シャワー室、女性専用室を設けているほか、Wi-Fi環境も整備されており、
長期の作業中も乗組員が快適に過ごすことのできる環境となっています。
機関室には、NOx2次規制及びバイオ燃料に対応した環境対応型エンジン、船内の生活排水に対する汚水処理装置、
油水分離器を搭載するなど環境にも配慮した仕様となっています。
また、機関排気管には消音機を装備し、騒音対策も施しており周囲の人々の生活にも優しい船です。
本船は国内で数十年ぶりに建造されたバージアンローダ船で、各種自動化と環境性能を有した最新鋭の作業船です。
国内の同種船は20年以上のベテラン船が大多数という状況です。本船が世代交代の嚆矢となることを期待します。