ウルトラマックスバルカー「PM HAYABUSA II」竣工
当社で建造中のウルトラマックス型撒積貨物船「PM HAYABUSA II(ピーエム ハヤブサ ツー)」の命名・引渡式が3月18日(金)に当社水島製造所にて挙行されます。
本船は、“サノヤスウルトラマックス”の最新バージョン、64,000トン型の記念すべき第1番船となります。新共通構造規則(CSR-B&T)やNOx(窒素酸化物)排出3次規制に適合し、SOx(硫黄酸化物)排出規制へも対応した最新鋭のエコシップです。本船は、これらの最新の規則に対応しながらも、全長200m未満に抑えつつ従来同様の載貨重量を確保しています。また、EEDI(エネルギー効率設計指標、1トン1マイルあたりに排出するCO2グラム数)規制値に対しては、Phase2(基準値から20%以上の削減率)を満足し、更に2025年以降に建造契約が結ばれる船舶に対する要求Phase3(同30%以上の削減率)に匹敵するレベルの省エネ船型となっています。
性能面では、省エネルギーに配慮した仕様を多く盛り込むことで高効率化を図り、また各種環境対策仕様を採用することにより、環境にやさしい船となっております。
省エネルギー対策としては低回転・大直径プロペラに加え、当社が独自に開発し特許を取得している省エネ装置「STF(サノヤスタンデムフィン:シンプルな平板構造で費用対効果に優れた装置)」及び「ACE DUCT(Sanoyas Advanced flow Controlling and Energy saving DUCT:ダクト内部の構造によりプロペラへの流れをコントロールする装置)」、さらには舵の省エネ付加物を装備しております。これら省エネ装置の相乗効果により約8%の省エネ効果を実現しています。
主な環境対策としては、省燃費性能に優れた電子制御式の主機関を搭載し、大気汚染防止およびCO2の排出削減に貢献しております。また、SOx排出に関する特定規制海域内の航行を鑑みた低硫黄燃料油の貯蔵を可能としています。その他、バラスト水処理装置の搭載、居住区生活排水・甲板上雨水の船内一時貯留専用タンクを備えるなどの環境対策仕様を採用しております。
5つの貨物艙(ホールド)を持ち、荷役装置は31トン型ジブクレーン4基および12m3タイプのグラブバケット5基を装備し、荷役の効率化を図っております。各ホールドのハッチ長さは、長尺物の鋼管等を効率良く積載できるよう配慮した長さとしています。また、上甲板から二重底へアクセス可能なトランクを設置し、貨物を積載している時でも検査・点検ができるようメンテナンス性の向上を図っております。
環境に優しい高効率、省エネルギー船として“サノヤスウルトラマックス”はこれからも世界の海で活躍して行きます。