倉敷市と「カーボンニュートラル社会の実現に向けた包括連携協定」を締結
倉敷市(市長:伊東 香織)と株式会社新来島サノヤス造船(取締役社長:森本 洋二、以下「新来島サノヤス造船」)は、この地域のカーボンニュートラル社会の実現に向けた取組を更に加速化するため、今後需要が見込まれるガス燃料船の燃料タンクの国内初となる省CO2製造プロセスの確立及びその内容の横展開の実現を目的とした地域の脱炭素化の推進に係る連携協定を締結しました。
1.経緯
気候変動問題という喫緊の課題に対して、世界全体で今世紀後半の温室効果ガスの排出と吸収の均衡に向けた取組が加速する中で、我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すこととしています。
倉敷市は日本で有数の工業地帯である水島コンビナートを有していることから、産業部門の温室効果ガスの排出量が市全体の8割を占めるという特徴がありますが、「クールくらしきアクションプラン」に基づいて市民、事業者、行政等市内のあらゆる主体が連携、協働して地球温暖化対策に取り組むことで、ゼロカーボンシティにチャレンジしています。
また、海事分野では、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、LNG燃料船等の普及促進が進んでいます。ガス燃料船の普及拡大に伴い、その重要構成部品であるガス燃料タンクも需要拡大が見込まれるため、その省CO2製造プロセスの確立が必要不可欠であり、新来島サノヤス造船では新製造設備の導入により、ガス燃料タンクの省CO2製造プロセスの確立による効率的な生産に取り組むこととしました。
このため、海事産業が立地する倉敷市において、国内初となるガス燃料タンクの省CO2製造プロセスの確立を図るとともに、自治体と事業者が連携して、確立された製造プロセスを他地域・事業所へ展開する実証事業の推進を通じて、地域全体のカーボンニュートラル化に貢献するとともに、ガス燃料船の普及促進による海事分野の更なる脱炭素化促進に取り組むこととしたものです。
2.連携協定の主な取組内容
地域のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、以下の4分野について、連携します。
- 地域のカーボンニュートラル社会の実現に関すること
ガス燃料タンクの効率的な生産によりガス燃料船の普及促進に貢献し、水島港に入港する船舶の脱炭素化促進に貢献するとともに、他の水島コンビナート企業とも連携し、地域のカーボンニュートラル社会の実現に貢献します。 - 地域のカーボンニュートラル社会の実現に向けた実証事業の推進に関すること
企業と自治体が連携し、ガス燃料船の重要構成部品であるガス燃料タンクの国内初となる省CO2製造プロセスの確立を目指します。 - 海事産業が立地する関連市町村へのカーボンニュートラルに資する情報発信に関すること
ガス燃料タンクの省CO2製造プロセスの水平展開を推進するため、「海事産業の未来を共創する全国市区町村長の会」等を通じて海事産業が立地する関連市町村への情報発信を行います。 - SDGs推進全般に関すること
「倉敷市・高梁川流域SDGsパートナー」として倉敷市と共に地域におけるSDGsの普及啓発と連携促進に努めるとともに、SDGs活動の一環として、環境対策船の命名・引渡式の見学会や省エネ工場設備の見学会等を通じて、地域と脱炭素化の取り組みを共有します。
以上